※『ハズビン・ホテルへようこそ』、『ヘルヴァボス』のネタバレを多少含みます。事前に分かる以上の情報を一切入れたくない場合は一通り両シリーズを鑑賞してから読む事をおすすめします。
傲慢の階層(Pride Ring)
『ハズビン・ホテルへようこそ(Hazbin Hotel)』、『ヘルヴァボス(Helluva Boss)』の主な舞台となる階層。地獄の最上階にあたる。死後、地獄に落ちた人間(=罪人/Sinners)がとどまる階層。空は赤色。年に一度、天国からやってくる「エクスターミネーター」によって罪人たちの虐殺(エクスターミネーション)が行われる。増え続ける罪人によって人口過密状態であるらしい。罪人の他にも、ブリッツたちをはじめとしたインプ(Imp)、ストラスなど貴族のような立ち位置のアルス・ゴエティア(Ars Goetia)の悪魔といった地獄生まれ(Hellborn)の悪魔も住んでいる。
主な都市は「ペンタグラムシティ(Pentagram City)」で、街の中心部にはエクスターミネーションまでの日数をカウントする時計塔や天国の大使館があるほか、「人食いタウン(Cannibal Town)」などいくつかの区画に分かれている。
I.M.Pのオフィスがあるのは「インプシティ(Imp City)」と呼ばれる街で、「第二のサークル(second circle)」に位置するようだが「サークル」については情報が少ないため詳細は不明。名前にインプと入っているがインプ以外の悪魔も見られる。
7つの大罪の悪魔:ルシファー(Lucifer)
「地獄の王」。フルネームはルシファー・モーニングスター(Lucifer Morningstar)。元々は天国の天使の一人だったが、地獄が生まれる原因を作った事でリリスと共に罰として地獄へと落とされた。リリスとの間に娘・チャーリーがいるが、二人とは別居中。罪人たちの更生を信じるチャーリーとは対照的に、自由意思を与えられた人間たちの行いに失望しており、更生にも疑問を持っていたが、チャーリーとの対話の中で考えを変え、彼女の夢を支えるようになる。
憤怒の階層(Wrath Ring)
ヘルヴァボスS1E5、S2E4にて登場。空はオレンジ色。西部劇の舞台のような風景が目立つ。農業が盛んな地域がある様子で、毎年決まった時期に力比べのゲームのコンテストとともにストラスの魔導書を使って中秋の満月を望む祭り(Harvest Moon Festival)が開催されている(S1E5)。火山のようなものが多数見られるほか、ストライカーが隠れ家として利用している炭鉱(廃坑?)が存在する。インプ以外の種族の悪魔がブリッツを指して「Wrathian(『憤怒の階層の出身者』の意)」と呼んでいた(S2E4)事から主な住民はインプと思われ、モクシー、ミリーを含む多くのインプの出身地であるらしい(ちなみにブリッツはインプだが憤怒の出身ではない)。ブリッツによると憤怒の階層は「『近親交配のアホども(Inbred chuckle-fucks)』でいっぱい」だと言われているらしいが、真偽不明(S1E5)。
7つの大罪の悪魔:サタン(Satan)
現時点で名前のみ登場。ベルゼバブ曰く「(実の兄弟ではないが)兄弟のようなもの」らしい(S1E8)。インプたちが時折「Satan fucking dammit(通常Satanの部分はGod)」などのようなスラングを使う事から、インプにとっては「神」のような立ち位置の可能性がある。
暴食の階層(Gluttony Ring)
ヘルヴァボスS1E8にて登場。空は黄色。ベルゼバブ(ビー)が開催したパーティーに多くのヘルハウンドやインプが集まっている様子が見られた。
7つの大罪の悪魔:ベルゼバブ(Beelzebub)
※英語では「ビエルサバブ」のような発音
S1E8にて登場。通称「クイーン・ビー(Queen Bee)」。
どこからともなくケーキやパイ、わたあめなどの食べ物を召喚したり、食べ物や飲み物のサイズを自在に変える事ができる。パーティーでは自身より位の低い悪魔たちにも親しげに接しており、参加者が酒や食べ物などを楽しんでいるかを気にかけていた。ブリッツが無茶な飲酒で「酔っ払ってわざと問題を起こしているように見える」事を心配してルーナに様子を見に行くよう進言するなど、トラブルが起こらないよう気を配る様子も見られた。ヘルハウンドのヴォルテックスとは恋人同士。
彼女の名前を冠した「Beelzejuice」というドリンクの名前が『ハズビン・ホテル』『ヘルヴァボス』双方で度々出てくる。
強欲の階層(Greed Ring)
ヘルヴァボスS1E2、S2E1、S2E3、S2E6、S2E7にて登場。空は緑色。街並みには工場が数多く見られ、大量のスモッグや煙が空を覆っている。「ルールーランド(Loo Loo Land)」という遊園地があるが、ルシファーの「ルールーワールド(Lu Lu World)」のパクリだと言われている(S1E2)。「Notamafia Town」と呼ばれる街にマフィアを率いるモクシーの父・クリムゾンの屋敷がある(S2E3)。アスモデウス曰く「Ransom(身代金)」と呼ばれている街があるらしい(S2E6)。毎年マモンによってピエロのコンテストが開催されている(S2E7)。
7つの大罪の悪魔:マモン(Mammon)
S2E7にて登場。アスモデウスからは「マム(Mam)」とも呼ばれていた。
強欲を象徴する悪魔だけあり金儲けに余念がなく、貧乏人には冷たい。毎年開催しているピエロのコンテストの10年連続チャンピオンであるフィズは稼ぎ頭であるらしく、シリアルから本人そっくりのロボットまでありとあらゆるコラボ商品を販売していた。一方で、フィズ本人をきちんと気にかけているとは言いがたい状態だったようで、無理な仕事もさせていた様子。昔はマモン自身もパフォーマンスをしていたらしいが、今は行っていない。アスモデウスによると「地獄の始まりからお互いを知っている」が、アスモデウスがマモンを「自分勝手で人を操るクソ野郎(selfish, manipulative piece of shit)」と言った事からも関係は良好とは言えない。
色欲の階層(Lust Ring)
ヘルヴァボスS1E7、S2E6にて登場。空は青色。人気の予約制クラブ「Ozzie's」がある(S1E7)ほか、アスモデウスの住む建物やセックストイの工場がある模様(S2E6)。ネオン街のような街並みが特徴。
7つの大罪の悪魔:アスモデウス(Asmodeus)
※英語では「アスモディアス」のような発音
“I don't fuck with that artificial bullshit. Lust, shouldn't be about force. It's an art!”
「あんな人工的なまがいものなんてごめんだね。『色欲』は強制されるものじゃない、アートなんだ!」(S2E6)
S1E7にて初登場。通称「オジー(Ozzie)」または「オズ(Ozz)」。色欲の階層の新聞にて「King of Ozz」「Lust's eternal bachelor(『色欲』の永遠の独身貴族)」とも称されている(S2E6)。
「Ozzie's」のオーナーであり、前述した工場を監督する立場でもある様子。「Ozzie's」では「色欲らしさ」を重要視しているらしく、モクシーがラブソングを披露した事に不満を持って舞台上に乱入した。一方で私生活ではフィザローリ(フィズ)とは恋人同士で同居しているようだが、S2E7終盤まで関係を公にはしていなかった(ただし半ば公然の秘密と化していた様子)。性に関しては過激な事を好む一方、媚薬などを使って他人に何かを強要する事を毛嫌いするなど、「色欲」のあり方について自分なりの信念を持っている。クリムゾンからは「7つの大罪の中で最も弱く、脅威にならない(the weakest and most non-threatning of the sins)」と言われていたが、実際の彼の悪魔としての強さは不明(S2E6)。
サキュバス達が人間に変身し、また地獄と人間界を移動する手段として使われる「アスモディアン・クリスタル(Asmodean Crystal)」を管理している。
嫉妬の階層(Envy Ring)
今までに登場なし、その他情報なし
7つの大罪の悪魔:???
名前のみの登場等も一切なし
※2023年6月時点のVivziepopによるツイートで「Leviathan(レヴィアタンまたはリヴァイアサン)とサタンの最終デザインに取り掛かっている」との言及があるので名前はLeviathanで確定か(投稿:https://x.com/vivziepop/status/1673042088320192512?s=61&t=3tDXBJCXTB6IlhnObYzFTQ)
怠惰の階層(Sloth Ring)
ヘルヴァボスS2E4、S2E5に登場。空はピンク色で島のようなものが浮いている。大規模な病院やブリッツの双子の姉妹が滞在していたリハビリ施設などがある。
7つの大罪の悪魔:ベルフェゴール(Belphegor)
“I would have thrown a bigger one, but I couldn't convince Belphegor to let me break into her stash of party drugs. SO fucking lame. I mean, I usually just steal them but Belle changed the locks.”
「もっと大きいパーティーにしたかったんだけど、ベルフェゴールの秘密のパーティードラッグに手をつけさせてもらえなかったんだよね。マジで最悪。いつもなら普通に盗むんだけどベルがロックを変えててさ。」
S1E8にてクイーン・ビーから言及された。現時点で登場はしていないが、ビーからは「ベル」と呼ばれていたほか、会話の中で「彼女」と言われていた事から恐らく女性。また、『ハズビン・ホテル』第5話にてチャーリーの電話の連絡先一覧にベルフェゴールの名前がある事が確認できる。ビーの「パーティードラッグをベルの所から盗み出すつもりだったがロックを変えられていた」という主旨の発言と、怠惰の階層に病院などの医療施設がある事から、地獄における薬物の管理に携わっている可能性が高い。
おまけ:階層間の移動
元人間である罪人は傲慢以外の階層には移動できないと過去に明言されている(https://x.com/impmurderpros/status/1337287692082503680?s=61&t=3tDXBJCXTB6IlhnObYzFTQ)。ただし、「規則として罪人には移動が許されていない」のか「(魔法などによって)物理的に罪人の移動が制限されている」のかは不明。
一方で地獄生まれの悪魔たちは、7つある地獄の階層を移動する事ができる。今までに登場した移動手段としては以下のものが挙げられる。
- エレベーター
S1E7にて登場。7つの階層全てに開通しているらしきエレベーター。時刻表に「Direct」の表記があるため、特定の階層に直通している便と各階層に順に止まる便があると思われる。
- 車
シーズン1、2を通してブリッツたちが傲慢の階層から強欲、憤怒、暴食、怠惰の階層などに自前のバンで移動しているため、特殊な乗り物でなくとも階層間の移動は可能な様子。
- ヘリコプター
S2E3にて、クリムゾンが派遣させたヘリコプターでI.M.P.のメンバーが移動。専用のエレベーターがある様子。
- 馬
S2E4にて、ストライカーがストラスを誘拐した際に傲慢の階層から憤怒の階層の炭鉱まで愛馬(Bombproof)で移動。
- ポータル
S1E7にて、ストラスが傲慢の階層から色欲の階層へ直接魔法でポータルを開いて移動。
余談:スマホアプリと7つの大罪
S1E7のブリッツのスマホのホーム画面にあるアプリのいくつかは7つの大罪と対応している。(画像出典:https://x.com/calisdraws/status/1455229953071538186?s=61&t=3tDXBJCXTB6IlhnObYzFTQ)
Lucimaster - ルシファーの名前が入っている→傲慢
Satan's Workouts - サタンの名前入り、名前から筋トレ用アプリ?→憤怒
Bee Eats - Uber Eatsのパロディ、ビーの名前が含まれる→暴食
Moneymakerz Bank - マモンの顔のシンボル、銀行口座/資産管理アプリ?→強欲
Lustinder - オジーを模したアイコン、Tinderのパロディ→色欲
Envee - TikTokのアイコンのパロディ、名前はEnvy(嫉妬)のもじり→嫉妬
Sleepy Pillz - 前述したベルフェゴールと薬の関係、名前から睡眠薬の管理アプリ?→怠惰
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